穴熊は守りを重視した囲いではない!ということ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

初心者によくある勘違いの一つに「穴熊は守るための囲い」というものがあるようで。あれだけガチガチに金銀を集めて固く守っているのに、受け重視の囲いではないとはどういうことか。

そんな疑問を持つ方に対して、今回は穴熊について説明していきます。

スポンサーリンク

まず穴熊とはどんな囲いかおさらい

とりあえず最初に居飛車穴熊の基本図を見てもらいましょう。居飛車穴熊をだいたいオーソドックスに組むとこんな感じです。

駒が左に偏っていますね、はい。金属っぽい駒が全て左寄りなので重さで盤面の左側が沈んでいきそうなぐらいです。

すごく固くて一見すると守るための囲いに見えますよね。 これが守るための囲いではないというのはどういうことでしょうか。

穴熊のデメリットは駒の配置にあった。

さて、盤面の右側を見ていただきましょう。

右側を攻められた場合に自分が受けに使える駒は単純に考えて飛・角・桂に中央のを寄せて間に合うかどうかです。飛車角は駒の性質上接近戦には弱いのもお忘れなく。

この状態では、相手に飛角銀桂香と攻めの基本どおりに攻められただけで、数で負けています。ということで、右辺はわりと簡単に破られてしまいます。

つまり「ひたすら受ける続けて攻めを切らす」ことをコンセプトに指した場合、右側を攻められてしまうとどうやっても破られてしまうのです。

穴熊で右辺を破られるとどうなってしまうのか。

ここでさらに穴熊の駒の偏りが関係してきます。右辺を破られると、そこは「成駒の製造工場」になってしまいます。守りの駒が助けにいけないのですから。

この状況で特に辛いのが垂れ歩によると金攻め

と金は金と同じで金以上」という格言にある通り、こちらはと金をとっても歩になってしまうので、相手から取った駒を打って囲いの再生をするという方法が使えないわけです。これでは駒の交換を繰り返すたびにこちらの戦力が減ってしまい、守るどころの話じゃありません。
気づいたら自分の囲いがガリガリ削られ、持ち駒はと金から戻った歩(相手のと金はとっても歩にしかならないため)だけで囲いの再構築も出来ないわけです。

はい、穴熊の姿焼きの出来上がりです。こんがりと。

ではなぜ穴熊は優秀と言われるのか?

ここまでの内容だけをみると穴熊はタダのカモにしか見えませんが、世間では最強の囲いのひとつ扱いをされています。

こ れ が ス テ マ の 力 か  

それはどういうわけかがここからのおはなし。

駒が偏ってるということのデメリットをさきほど紹介しましたが、駒が偏っていることにメリットがあるのです。

穴熊で駒が偏っていることによるメリット

右辺を破られても、とられる駒がほとんどないんですね、桂と香ぐらいしか。大駒は多少強引でも捌いてしまえば良いのですから。
ということで、右辺を攻められてもその間に攻めあってしまえば良い。取られるものがないのですから。そして相手に右辺を破られても、穴熊の玉が左端に居るためそこからの攻めが遠く、手数を稼げます。

この右辺を破られても玉の周辺に手がかかるまで時間があるということと、取られる駒があまりないというのが大きなメリット。

さらにメリットがもうひとつ。

穴熊は絶対に王手がかからないのがもうひとつのメリット

ここで穴熊の局面図を再掲。

形に多少の差異はありますが、穴熊は基本的に自玉には絶対に王手がかかりません。守りの金に相手が駒をひっかけて来たに無視して囲いの駒を一枚とらせてすらまだ王手がかかってません。これはすごい。ということで王手がかからない(=玉が遠い)というのも大きなメリット。

このメリットから穴熊は何に優れているか考える。

ここまでのおはなしで「王手が掛からないし、詰めろもかかりにくい」ことが居飛車穴熊の本当の利点ということがわかりました。
このふたつのメリットから考えていくと、終盤にお互いの玉が寄るかどうかギリギリのとき、自分の玉のことを考えずに攻める手だけを考えることが可能だということに気づきませんか?

さらに「相手にこの駒を渡すと反撃が辛いからこの駒だけは相手に渡せないな」といった制約から解き放たれる訳です。
自分の王様の心配をする必要さえ無くなれば、たとえ飛車や角を切ってしまっても相手の玉を寄せきれるのであれば踏み込んで勝ちです。

穴熊の利点がわかってさえいれば、右辺を攻められて破られても、飛車や角行を持たれても、(他の戦型に比べれば)大して怖くありません。なので、攻めてきた相手に大駒交換を強制して打ち込みあったり、いっそ大駒を豪気に相手の金銀等と交換して強引に攻めを続けることすら出来ます。
そんな強引な戦い方をしても、終盤に相手の攻めを手抜いて攻めを続けることすらできる穴熊が有利にというわけです。

自玉がピンチなら受けるしかありませんが、これなら攻めるか受けるか自由自在に選べるわけですから。
相手の攻めを手抜くことによってその瞬間相手の持ち駒が一枚減っていて、こちらが攻めやすくなってたりすることもあったりなかったり。穴熊ならその手抜きを「読みきらずに」可能なのです。金を狙われても王手がかからないため、一発では絶対に詰まないのですから。

穴熊はある意味でとても攻撃的な囲いだった。

相手の攻めを受け続ける場面ではなく、殴り合いになった時こそ力を発揮するのが穴熊なのです。ですから、ある意味では穴熊とは攻めるための囲いだと言っても過言ではない。といった感じ。
終盤に攻めに専念するため、一手の重みが小さい序中盤のうちに手数を支払って強靭な囲いを構築し、終盤はその城による玉の安全度を利用して一方的に相手を殴り倒す。そんな感じに運用していくのが穴熊囲いの基本ということで。

コメント