将棋で2番目に攻めが早い駒はまさかの桂馬!?というおはなし。

コツを掴むヒント

将棋でもっとも早く攻めることができる駒と言えば飛車や角をイメージすると思います。でも意外な所にものすごく早く攻めに使える駒が居るんですね。というわけで、今回はその2番目に早く攻めることが可能な駒、桂馬について説明していきます。

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それぞれの駒が攻めるのに必要な手数、把握してますか?

まずは初期配置から敵陣(相手陣の3段目)まで攻めるのに必要な手数を見てみましょう。

まずは大駒から。
最初に角。初手に7六歩と突き、角の道を開くだけでもう敵陣の3三の地点の歩まで利いてますね。なので角さんは一手で攻めに使えます。これは文句なくNo.1でしょう。

次にみんな大好き飛車さん。
飛車を使うには前にいる邪魔な歩を突くしかありませんので突きますが、2回突いてもまだ足りない。3回突いてやっと歩が敵陣に利くので相手が同歩と取ってくれれば同飛でやっと敵陣に飛車が利きます。飛車の利きを敵陣まで届けるには、歩を3回+飛車が走って合計4手も必要
ただし、歩を3回突いた時点で「こちらはいつでも仕掛けられるんだぞ」と威圧する効果は一応あるので、その意味では利いているとも言えるかもしれません。が、相手が飛車先を3三銀や3三角などで受けているだけで、歩の交換ができなくなりますので過信は禁物ですね。

香車も同じように歩を3回突かなくてはならず、3手かけてやっと歩をぶつけて同歩に同香としても今交換した歩を相手に打たれて自分の香車が死んでしまうので、単体では記録なしといったところでしょうか。参考記録として4手ということで。

玉は攻め駒として論外ですが、金将も銀将も動けるのは一歩ずつなのでわざわざ検証するまでもないですね。


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本題、桂馬の攻めにかかる手数

桂馬は初期配置のままでは動かせないので、まずは歩をどかす手で1手。その後はなんと二回跳ぶだけで敵陣に利きます。ということは、桂馬が攻めるのに必要なのは3手。

なんと角の次に速いのは飛車さんではなく桂馬なんですね。ただし一度跳ねるともう戻れないという桂馬の動かし方のおかげで、歩で虐められるだけで死んでしまうことに注意が必要なので使い方が難しい駒でもあります。

攻め駒が足りないと感じたら、桂馬の活用を考えてみると良い

ということで「序盤から乱戦になったが攻め駒が足りない」という状況になってしまったときは、桂馬を活用する筋を読んでみると意外と手があるものです。ただし、桂馬は前述した通り一度跳ねると戻れませんのでしっかりとその先を読んでから。将棋の格言にもある「桂馬の高跳び歩の餌食」とならぬように。

【余談】プロでも読めなかった桂馬の活用もある!?

数年前になりますが、プロ棋士と将棋ソフトの公式対局の際、解説の先生方も読んでいなかった手がきっかけでコンピュータソフト側の形勢が良くなったことがありました。(その手が好手だったのではないかと判明したのはだいぶ進んでからの検討で)
激しい戦いがすでに起こっている大事な局面で戦場の駒に手をかけず、自陣の桂をそっと跳ねて、のちの活用を見越した手が原因。実際に数十手ほど局面が進んでから、その桂馬をじっと跳ねる手が好手であったのではないかと話題になったのです。(どの対局だったのか失念してしまったので、判明し次第追記予定です。ニコ生で見たのは覚えている。)

【余談その2】右の桂馬と左の桂馬は活用速度に違いがある

それと左の桂馬と右の桂馬では、活用していく速度が若干違います。
まず初期配置の状態で動けないのは桂馬と角だけです。なので、角が動けるようにするのが自然ですが、角を動けるようにするにはふつう7六歩とします。(9六歩~9七角は使い方が限定されてしまいますし、引き角は引き角で別の将棋)そうするとあら不思議、桂馬が動く場所が空いています。これはお得ですね。

右の桂馬の場合、桂馬が跳ねるための3七を空ける3六歩を自分から積極的に突きたいのは銀を活用するために突くパターンや、3筋に飛車を回して攻めるときぐらい。なので、 早い段階で乱戦になった場合、左桂の方が右桂に比べて活用できることが多い。ただし、居飛車の場合は左側は玉を守っている場合もあるので跳ねるときは計画的に。

まとめ:桂馬の攻めの速さは全駒中でも2番目

というわけで、桂馬の攻めの速さは角に次ぐ2番手!というおはなしでした。

対局後に「桂馬が初期配置に残ってるなぁ」ということが多い方は、これを機に桂馬の使い方を学び、普段から活用できないかを考えるクセをつけていくと、攻め駒が足りないという状況が減っていくと思います。

桂馬で攻めることができてなおかつ相手の守りの金銀と交換することができれば、受けに使いづらい桂馬を相手に押し付けつつ攻めることが可能なのでとてもお得ですしね。

ひとの嫌がることを率先してやりましょう。(誤用)

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