将棋初心者の特徴と問題点、効率の悪い勉強法
初心者の将棋を見ていると先に大駒を成り込めた方が一方的に攻め潰してる将棋が多くなりがちです。駒落ちでも上手の受けが足りないところを探して大駒を成りこませるのが定跡になっていますからそれを狙うのは自然。
それでも少し上達した人同士の戦いになるとそう簡単には成り込ませてもらえませんし、一方的に良いところに打ち込めません。そこで飛車角をどうにか活用していく方法を勉強していくのですが、これもある程度の棋力になるとそう簡単に優勢にはなれません。
なので、他の駒を中心にした手筋も学んで上達を目指していくことになります。ここで考えてほしいのが上達するための効率です。
上達するための効率について考える
例えば飛車を打ち込んでうまく活用する手筋を覚えたとして、飛車を打ち込む事ができる機会が一局の将棋のあいだにどれだけあるのでしょうか?
確かにその手筋が使えたときは形勢が一気に良くなりますが、使える局面が訪れなければ意味がありません。
そこで「使える機会の多い駒の使い方を勉強する」方が無駄なく上達していける!というのが今回の主旨になります。
使える機会が多い駒とは何か
といったところで今回の記事で紹介するのがこの「歩兵」です。なんと盤上に18枚あります。そのうち半分の9枚は自分の駒として初手から動かせます。
しかも開戦は歩の突き捨てからという格言があるくらいなので、戦いが始まったときには駒台に乗っていることがほとんど。
歩切れ(持ち駒に歩兵が一枚もない状態)でも、どうしても欲しくなったら駒損覚悟の交換をすれば補充もできます。歩を使うことができない場面の方が少ないのではないかと言ってしまっても過言ではないくらいの扱いやすさです。
ということは、歩の使い方で相手と差を付ければ序盤中盤終盤ずっとアドバンテージがあるのではないでしょうか?
数が多いだけではない!歩兵という駒の奥深さ
上記のように「将棋は歩から」という「歩兵に関する話」だけで500ページ以上も書かれた本があるくらいの奥深い駒です。同書には歩を使って相手の囲いを乱す手筋や攻め手を作っていく手筋だけではなく「敵陣のすべての歩兵の位置」だけを見て「相手が急戦を狙っているか持久戦を狙っているかを読み解く」といったことまで研究されているくらい。知っている方は知っている「ダンスの歩」もこの著者、加藤治郎先生の命名なので本書で広まった感じでもあります。
まとめ
かんたんにまとめてしまうと、効率よく上達したいなら歩兵の使い方を学べ!といったところ。
強くなるための効率を考えるならば、将棋で一番使える場面の多い駒、歩兵の使い方を勉強すると効率が良い!ということが今回のおはなしでした。歩兵を使った手筋のお話は、のちのち別記事で書いていこうと思います。
完全に余談ですが「将棋は歩から」という本は先程例に挙げたとおり「局面図の歩だけを見てその形から相手が急戦狙いか持久戦狙いか読み取ろう」という所まで研究されているので、現代では多少通用しなくなっている所がある点を考慮しても読む価値はあると思っています。現代将棋では少し事情が違っていても、「将棋の考え方」を学ぶことができるので(個人的に好きなだけでもありますが)
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