タイトルの通りです。王将戦はいま将棋界でもっとも棋譜について真剣に考えています。
それをみなさんにも分かってもらいたい。王将戦は棋譜というものを大事にすることにかけては将棋界で一番なんだということを。そのために筆を執りました。実際はキーボードですけど。
このページが最後まで読んだなら、100人中99人は「確かに王将戦は棋譜についてどこよりも真剣に考えている」と納得してもらえると自負しています。
なぜ王将戦はいま叩かれているのか?
かんたんに言ってしまえば「棋譜の利用をガチガチに制限した」というあの件。
少し前までは「事前に申請してね」というお達しだったところに、某YouTuberが質問状を送りました。それに対する回答も込めて叩き出してきた「棋譜利用ガイドライン」が本当にガチガチで、実質的に棋譜を利用できないレベル。
読み方によっては「観戦中の一手」をSNSで書き込むだけですらアウトともとれる勢い。
「商用利用なら有料にするけど商売目的じゃないなら多少は目をつむるよ」なんてこともなく非商用でもガッチガチ。
救いがあるとすれば「対局からある程度経ったら減額・無料化するよ」という内容があったことくらい。
王将戦はきちんと棋譜について考えている
というわけで、王将戦は「将棋の棋譜」をとても大事にしようとしているんですよ。
大事ですものね、スポンサー料と引き換えにプロ棋士同士を対局させて得た棋譜。そりゃぁ大事だからしまっておきたくなりますよ。
大事な大事な棋譜のコピーや部分コピーを無料であちらこちらでばら撒かれるなんてことになったら大事な棋譜の一点物の価値がなくなってしまいます。
このガッチガチに規制されたガイドラインは棋譜のためには妥当なものと言えますよ。棋譜のために。
ですが、そこまで規制したら誰も実況できないし、話題にもなりにくいからSNS全盛期の現代においてマイナスじゃないか?本当に棋譜利用について考えているのか?と思う方も多いことでしょう。
それについては実に簡単な答えを用意しています。
王将戦が棋譜の運用について考えているのかは不明
ここからは完全に私の感想ですが、王将戦は棋譜の運用についてはまともに考えてないんじゃないかと。
今の将棋界に観る将という概念が生まれたのも、ニコニコ動画で生放送が始まった頃からだったはず。「無料で観戦しながらみんなで盛り上がれる」という今まではNHK杯でしか出来なかった楽しみ方が他の主要タイトル戦などでもできるようになったからこそ現代の将棋ファンたちの世界があるはず。(実際はNHKは無料じゃないですけど)
将棋の対局の配信コンテンツが増え、観る将と呼ばれるファンは増えました。
ゲーム性の高いオンラインの将棋対局アプリが普及してたこともあって、ちょっと通りがかりに観戦して興味を持っただけの人が実際に将棋を指し始めるためのハードルも下がっていました。
そこから大きな流れが出来て、現代の将棋ファンのコミュニティが形成されたはずです。
で、SNSを眺めているとみなさん口を揃えて「王将戦は時代に逆行している」と言ってますが、そんなのはこの記事において些細なことです。
タイトルを思い出してください。その直後の文も。
この記事は「王将戦が棋譜について考えている」ということを納得してもらうための記事です。
なので「どうすれば棋譜の価値が上がるか」「棋譜をどう運用すれば将棋界を盛り上げられるか」は関係ありません。
もちろん「この運用方法では王将戦の価値が下がるだろう」ということも。
だからこそ王将戦は棋譜についてもっとも真剣に考えている
王将戦は「棋譜をどう運用するべきか?」「王将戦というブランドの価値を高めるためには棋譜をどう扱うべきか」を考えず、ひたすら「棋譜の利用について」だけを考えた結果としていまの棋譜利用ガイドラインを出してきたのではないでしょうか?
将棋ファンや将棋界のことなど考えず、棋譜の利用についてだけ考えたなら胸を張ってこう言えるはずです。
「他の棋戦より棋譜について考えている」と。
余計なことを考えず、一途にそこだけを考え抜いているのだから当然です。
だからみなさんもSNSで批判をするだけの生活なんてやめて、しっかり理解しましょう。
王将戦は何よりも棋譜を大事に考えている棋戦なんだな、と。
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