なんだかんだでよく見る「将棋ウォーズで棋神使ったら悪手連打して逃げてった。弱い」みたいなお話。 ウォーズの棋神に限らず、将棋ソフトに手を聞くと割とよくある感じのパターンです。 これ、実はしっかりとした理由がいくつかあるので、ちょっとだけ書いておきたいと思います 。
棋神の意図が理解できなかったパターン
「次に局面を大きく動かす一手があるのに本人が読みきれず、それに至る準備段階だけ棋神に指されて終わった」みたいなパターンですね。捨て駒が終わって「さあ決め手だ!」って所で棋神が切れるという状況などなど。
これはもう頑張るしかないです。明らかに不自然な捨て駒をして去っていったなら何を狙ってそうしたのかを考えるしか。
級位者や低段の方ですと案外このケースあります(私も何度かありましたし)
このパターンの対策としては、棋神が切れた局面を何らかの将棋ソフトに打ち込んで、実際に評価値を見ながら次の手を検討してみると良いです。
将棋ソフトは逆転が苦手!
ちょっと難しい話になってしまうのですが簡単に言うと一般的に「将棋ソフトは逆転を狙えない」という感じのなにかです。
将棋は人と人が盤面で競い合うゲームなので、逆転というのはよく起こります。そして局面が複雑になればなるほど、人間には読む難易度が上がるため相手のミスを誘いやすくなるので、押されている方は局面を複雑にして行こうとします。逆転を狙って。
しかしながら大抵の将棋ソフトは評価値やら関数やらを指標に最善手を決めているため、相手が間違えやすい状況を作るなんていう駆け引き的な考えはハナからないわけです。
となると明らかに負けている局面では「一番傷が浅くて済む手」を探すことになり、相手が大きなミスをすることを祈って、ただただ(傷を最小限にしつつ)無駄に負けるまでの手数を伸ばすような事を考えてしまう形になることも多々あるわけです。それがある程度の強さの人からみると「明らかにありえない手」に映るわけですね。「正しく受けられたら絶対に通らないけれど、逆転を狙うならここで攻め合うしかない局面」みたいな勝負どころをスルーして、緩慢な自殺をしていく感じで。
将棋ウォーズのAIにも間違いはあるということ
もし絶対に間違えないのであればそれは最初から最後まで読み切っているか、将棋に必勝法が存在していてそれを解明してしまったかのどちらかでしょう。現状ではまだ完全解析はされていませんし、2016年基準の家庭用マシンだと46億年間コンピュータを走らせ続けても解析が終わらない見込みだったのでしばらくは終わらないでしょう。
このパターンはどうしようもないです。が、私の経験上は高段同士の対局でもなければそれほど気にならないレベルの発生率です。大抵の場合はここまでにあげた理由のどちらか。
まとまらないまとめ
といったところで、大体こんな感じの理由かなぁと思っています。他にも細かい要因はいくつかありますがそれはまたの機会に。
みなさんがこの記事をたくさん読んでくれたらまた書くかもしれません
余談
全くの余談ですが、私は昭和の時代に多かった「相手との駆け引きで局面を良くしていく」みたいな将棋が大好きです。
放っておけば何ともない単なるハメ手のような捨て駒を「よかろうならば戦争だ」と公式戦の場でわざと喰らいに行って逆に受け潰すなんて将棋ワクワクしません?私はします。しました。大山先生と升田先生の将棋とかにそんな将棋が見られます。
勝敗が生活に関わるプロですらこんなことをしていたのですから、アマチュアなら当然受けて立ちたくなります。そりゃあもう。
そんな感じの怪しげなテクニックが書かれている「逆転のテクニック」という棋書が出ているので、相手を惑わす将棋が好きな方は是非読んでみてください。
コメント