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将棋界を完全実力性にしたら困るのは若手じゃないの?という話

※私は内部の人間ではないので正しいことを言っているかは保証しません。私の主観です。気に入らない人はさっさとブラウザバック!

だいぶ前になりますが「将棋界はプロの門を狭くしすぎ!ベテランのために若者に厳しくするのは時代遅れ!」とおっしゃる方が居たんですよね。で、「ある程度絞らないと今の財政状況じゃ全員が食べていくのは厳しいのではないか?」と問いかけてみたら「はいはい、老害のために若者が犠牲になればいいんですね」とキレられた感じです。その流れで「ベテランは保護されている」みたいな話も。

というわけで、もしも“プロになるための門を広げた上で完全実力性にして棋力が落ちてきた棋士を保護しない制度”にしたらどうなるか考えてみました。正月inコタツで暇なので。

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若者は敵になる

数百人単位で存在するとは言えプロ棋士は限られた人数で将棋界を回していくメンバー。盤を挟めば敵でもそこを離れれば一緒に将棋界を回していく仲間なんですよね、棋士同士。

これ、ベテランでも食べていけるから可能なんですよ。

もしも負けが混んだら即引退だったり、新しいプロがガンガン下から入ってきて激しい降級合戦が繰り広げられる未来になったら、まず考えるのは自分が勝つことですよ、プロなんだもの。

パイの奪い合いが始まりますって。

そうなったらもうベテラン側全員が今までのような接し方を若者にするのかな?と。それが出来るのは自分は絶対に大丈夫だ!と思えるベテランくらいでしょう。おそらく。

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『ノーマーク爆牌党』を読め

麻雀漫画ですが『ノーマーク爆牌党』という名作におもしろい話があるんですよ。

素行はめちゃくちゃ悪いけど競技の実力は確かな若者(本作で主人公のライバル役)が出てきて勝ちまくるのでプロリーグに入れるか?って話。(彼が独特の仕掛けをした瞬間に残り全員が読みどおり動いて彼が確実に上がるという完全に詰め将棋状態の技を使うのは漫画なのでアリです)

で、色々話し合った結果多数決を取るんですよ、賛成と反対で。当然票が分かれるわけなんですが、ここで反対派の数をn人としておきましょう。私が正確な数を忘れたので。

この後のセリフの一文が中々面白くて「実力を認めている奴もn人居る」と出てくる。

賛成派の数じゃなくて反対派の数を挙げたので「n人?」と問われるわけですがこう続きます。

「彼らもプロだから実利を考える。自分が負けるかもしれないと思っている奴が反対してるんだ」という感じで。賛成した奴は「別に敵に回っても問題ない」と思っていて実力を認めていない側だと。

プロ棋士がそうなるとは言い切りませんが、人間ならこう考えるのが普通なんですよ。人間だもの。

自分を脅かす存在が下から上がってくるなら妨害したくもなるものですって。ファンに見えない場所で出来るならなおさら。

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ベテランが本気で保身に回ったら若手は苦労の連続

ベテランがやるとは言っていません。が、やろうと思えばやり放題なんですよ。

ひと目で法的にアウトな直接的な嫌がらせはしなくても、例えばイベントなどで若手がトークでネタを投げても誰も拾わずに流したり、ミスのフォローを適当にしたりなんていう咎めようがない精神的な攻撃もやりたい放題です。

初のタイトル戦の前夜あたりも周りが何もフォローしなければ相当ダメージ与えられるでしょうし。

よほど頭のおかしい人でなければ精神状態が対局に影響するでしょうからこの時点でもう不利ですよ。

対局が始まってからもいくらでも嫌がらせできますし、将棋界には前例がやまほどある。

相手の顔面にタバコの煙吹きかけるプロ棋士もいたし、公式戦の最中なのにお互い時間を使ったことにして早上がりして麻雀打ちに行った大名人。昭和の将棋はやりたい放題です。

これを食らってきた人間や見聞きしてきた人間がまだ将棋界に残っていて、やろうとおもえば出来るんですよ。彼らも。

そもそも若手がプロを目指せなくなるんじゃないか

同年代とやりあって苦労してプロになってもその後はベテランに嫌がらせをされながら引退に追い込まれないように必死に戦う世界になったとして、プロを目指せるのかと。

成人してから勉強してプロになれる世界ならまだしも勉強するなら早ければ早いほど良いとされている将棋界、親が許すのかと。自分の子供をそんな世界に放り込みたい親ってどれだけ居ます?

普通の神経なら間違いなく止めようとするでしょう。昭和の時代みたいに家出したり師匠のところに住み込みで弟子入りするなんて時代じゃないですし、完全なる実力性になったら受け入れてくれる棋士も居ないでしょう。「若手世代を潰すため」の密約でも結べばワンチャンスあるかもしれないですが。

将棋ファンも割と困るんじゃないか

もともと最新の独自研究なんかは披露してませんし、感想戦でも本当に大事なところは口に出さないなんてことはありますが、それでもそれなりには情報を出してますよね、現状。

これすら減るかもしれないし、崖っぷちになったらイベントの出演も大幅に減るかもしれない。

そもそもイベントに出て和気あいあいと出来るかどうかも怪しいですしね。潰したい人間相手に苦手意識を植え付けようと水面下で戦うイベントトークはある意味でおもしろいかもしれませんけど。

肝心の対局だって勝ちがだいたい決まったところであえて綺麗に寄せずにボロボロの局面図にして形作りさえ許さないなんてゴミのような棋譜が出来上がっても不思議じゃありません。昔はいましたからね、自分に勝てないイメージを植え付けるために勝ってる将棋でさらにいたぶる棋士。

こんな棋譜を今の将棋ファンが見たがるか?と言われたら多分見たがらないでしょう。私のような昭和の将棋が大好きな一部の変態くらいです。

まとめ?

というわけで、もしそんな世界になったらこれから活躍しようとしている若者たちは苦労するんだろうなぁと勝手に想像してみました。人間って怖い。

何が言いたいか簡潔にまとめると

『ノーマーク爆牌党』は面白いので全人類が読め

ということです。

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