将棋の駒の動かし方、入門書は数あれど図での表記はほとんどが同じもの。「動かし方は決まっているんだから当たり前でしょ」と言いたいのはわかります。が!しかし!それでも!私は今使われている駒の動かし方の表記は本当に正しいのか問いたい!!!
私の知っている金将・銀将の動かし方はこれ
というわけで、私が勝手に考案して勝手に納得している図をここで。
はい、こんな図です。比べるために一般的に使われている図も貼っておきます。駒の動かし方を知らない人がこれを読んでもわかるように。
普通の表記がこれです。「色付けただけじゃねぇか!!!」って思われては心外です。この表記、言われるまで誰も気付かないと思いますが実は色が2色になっています(すっとぼけ)
なぜわざわざ印刷費の都合も考えずに2色にしたのか説明していきましょう。
たった3つのことを覚えるだけで金銀の動きが完璧に覚えられる
将棋初心者が駒の動きを覚えるときにつまづくポイントの一つが「金銀の動きを混同してしまう」というもの。
ですが、この表記なら覚えることはシンプル。というわけで図を再掲。
まず大前提として「近接戦用の駒なので前3方向は移動可能」と覚えましょう。
その前提さえ覚えてしまえばあとは簡単。
銀将はナナメ(X)に、金将は十字(十)に動く
たったこれだけです。これだけで「えーと銀は前と斜め前と….銀って横にうごけましたっけ……?あと斜め後ろと……」となることがないわけですね。覚え方がとてもシンプルになります。
と、理由がこれだけなら別に記憶力に自信がある方には不要でしょう。ですがそれで終わる私のブログではありません。
本当に銀は前に動けるのか?
「何を言っているんだコイツは…….」となる方も居ると思いますが、大事なことなのでもう一度言います。「本当に銀将は前に進めるのでしょうか?」
古い方のブログでこの件について書いていたのでほとんどそのまま持ってきます。ということでまずは説明用の大げさなよくある例の局面図。
はい、この状態で先手は3四歩と銀の頭に歩を打ちましょう。そのまま放っておいては大きな駒損なので同銀と取ってみます。従来の表記法通りなら「銀は前に進める駒」ですからね。
で、3四歩同銀に対して先手が3五歩と打ってこの局面図。
はい、キッチリ銀が詰んでいます。銀で歩を取って取り返されて銀1枚と歩2枚の交換で大幅な駒損ですね。
では、最初の図に戻って打ち込まれた歩を金で取ってみましょう。
まったく同じ手順で今度は金が死にました。またしても大幅な駒損です。
では、なぜこうなってしまったのでしょうか? A.運が悪かった
銀将は前に動ける駒だが、前に動く駒ではない
さきほどの例で、なぜあんなに簡単に金銀が召し捕られてしまったのか?
私が先ほど提示した駒の動かし方で覚えていればなんと一言で表せます。
「銀は斜め、金は十字に動く駒」
たったこれだけのことです。何が言いたいのか勿体ぶらずに早く書けという声が突き刺さってきているので簡潔に書きます。「銀は斜めに動けば元の位置に戻れる」「金は十字に動けば元の位置に戻れる」ということですね。
将棋の格言にも「金はナナメに誘え」とあります。これは相手の金をナナメに動かすことができれば相手の形が悪くなりやすいという意味のありがたいお言葉。これを逆に読むと「金はナナメに動かされるな」ということになるのです。
他にも「銀は千鳥に使え」という格言があります。これはそのままで「銀は斜めに動かすのが基本」という格言。
そう、つまりあれです。 「銀は斜め、金は十字に動く駒」 ということです(大事なことなので2回言いました)
なので「銀は斜めに動かす駒であるが、陣地転換のために一応前方向にも動ける」という駒ではないかということが私は言いたい。
「銀が前に動いても、斜め後ろに二回動いてから前に動けば戻せるぜ!」という細かいツッコミはスルーしますよ!先程の例ではそれをするスペースも手数もありませんので!!!
従来の表記では全て同じ矢印なのが不自然なのでは?
というわけで、一手で元の位置に戻れる場合と一手で元の位置に戻れない場合があるのにも関わらず、全て同じ矢印で描かれているのがおかしいのではないかと思うわけです。
例えば銀将。斜めに動けばそのまま元の位置に戻れます。ですが、前に進んでしまえば(一手では)元の位置に戻れないためその銀将の働きが大幅に変わってしまいます。
このことから銀が前に進むことと斜め前に進むことはまったく違う動作といえるのではないでしょうか?
この考え方を反映して、銀の場合は真ん前・金の場合は斜め前をあえて違う色で表記したのが先程の図というわけです。
さいごに
というわけで、まとめるために図の再掲。
この表記で説明した場合のメリットとして
- 前3方向に動けることは前提に、金は十字・銀は斜めと覚えるだけで良い
- 金銀の使い方の基礎がついでに学べる
というわけです。
この表記が本当に優れているとまでは思ってませんが、割と大事なポイントが足されているとは思っているので、誰かもっと良い表記を作ってくれたら宣伝します(小声)
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